本日の1本: 「オーシャンズ13」 [映画]
「オーシャンズ サーティーン」("Ocean's Thirteen"、2007年・米国)
もう、内輪ノリのオンパレードで、どうしようもなかった前作「12」より、全然、良かったですわ。深みも、アクションも、特撮も何もなく、面白い大作映画って、なかなかないし。日本では、Soderburghの映画は、コトバのニュアンスが上手く伝わらないので、しんどいと思われるのですが、このシリーズの字幕翻訳はカッコ良いんではないでしょうか。ある大御所の弟子タチが訳すと、面白く観れない映画のような気がします。ええ。主観です。全く。
さて、悪いヒトAl Pacinoのカジノが今回のターゲットです。Al Pacinoはもちょっと頭のイイ悪役をやってはしかったな、と。今回も無理矢理出てくるAndy Garciaのヌケサク振りはいつも通りではあるのですが、悪役がダメなのがこのシリーズの弱点ですね。アイディアの説明と種明かしが鼻に付かず、スピーディーに物事が進んでゆくのは、前2作と変わりません。ここは良いトコロ。
本作はAl Pacinoに対する復讐モノなのですが、今回はその敵より徹底的にヒドイ目に遭うヒト(役名が、ズバリ"The V.U.P. (Very Unimportant Person)")がいて、それが本当に可哀想で、非常によい。ひとつの見所です。あ、曙と武蔵丸はエンド・ロールには出てきますけど、本編には出てきませんです。「曙目当て」で、というヒトはいないと思いますけど。相撲のシーンは、米国映画には珍しく(別の力士風のヒトたちを使って)ちゃんと撮れていて、Soderburghのキッチリした、というか、神経症的な、というか、性格を感じさせます。
本作にあたっては、Soderburgh(と、スタッフ)的には、物凄く、物凄く、苦労しているんだろうなと思います。毎度毎度、Ocean氏に都合の良いことこの上ないストーリー展開には完全に目をつぶらないと、観れない映画ですけども、今回も観客のほうが「もう、ディテールなんて全然関係ありませんぞ。うん、私は全くそこには興味がない。」と、前のめりになって観ないといけませんけど、あんまりそこにモタレ過ぎてもいけないし、登場させなければならない人たちが11人(+α)もいるし。ブラピなんかはもう、めちゃめちゃカッコいいですけど、スジ的には全然活躍してませんし、Matt Damonに到っては、他の映画でのスーパーヒーロー状態や、実年齢なんかを考えると、「手柄をアセるヒヨっ子」という役はもう、いい加減、如何なものかと。
「14」は、Oceanの仲間たちを何人か始末することから始めることとしましょう。
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