SSブログ

本日の「約束と違うじゃない。」その2 [書籍]

続き。では、「輪違屋糸里」と「シューレス・ジョー」を。

輪違屋糸里 (浅田次郎著、上・下巻、単行本、文藝春秋)
浅田次郎は、好きなんだけど、短編を続けて読むとクドイ。と以前云ったのですが、彼の「壬生義士伝」は私の一番好きな本10選中、現在高ランクに位置している(ラスト、大泣きです。)と思われます。新撰組ズキの私としては、本作品も単行本が出たときに買おう、と思っていたのですが、「やっぱり、高いよね」ということで、文庫化待ちをしていたわけですよ。それで、出ましたね。文庫版。しかしながら、図書館にぶらっと行ったら単行本が上下巻ともあったので、借りてきて一足先に読みました。

芹沢鴨在籍時の壬生浪士組(新撰組初期)時代、彼らの京での生活に深く関わった5人の女性から見た若者達と、女それぞれの生き様を描いた小説です。筋立ては書かないのですが、ここでの主要イベントや各隊士の行うことは、どの新撰組モノにも出てくるものと同じ。浅田氏は主要イベントの関連性、誰がどう仕組んだか、個人の性格・善悪などの解釈を殆ど定本と違えています。

申し訳ないですけど、そこがアザと過ぎて、ふーん、て感じです。島原で生きる糸里と女達が主人公であり、彼女達が折角魅力的に書けているのに、この小説の本筋ではない、しかも誰でも知ってる筋書きに大量のギミックを使う必要はないのに。新撰組好きの浅田氏はどうしても書き込みたかったんでしょうが。本は一気に読め、面白かったですけど、やっぱり珍解釈とヒケラカシがしつこすぎて、萎えました。

あと、主人公が魅力的なので、ドラマ化、楽しみかも、と思ったのですが、糸里役、上戸彩かぁ。ちんちくりんで可愛い島原太夫...。ドラマの出来をこれで測ることはできないんですが、想像を絶する感じです。

シューレス・ジョー (W.P.キンセラ著、文春文庫)
本屋より、古本屋に行くと、見つけやすい本ですね。購入価格105円でした。この本を原作にして、映画"Field Of Dreams" (1989/米国)は撮られました。この映画も私の好きな映画ベスト10選の上位にランクしてしまう映画なのです(これもラスト、大泣きです)。あぁ、父親とキャッチボールをいつまでも続けるKevin Costner...。野球と父子。完璧なテーマです。

本の方は、というと、いいですね。登場人物が多いのと、主人公が喋りすぎ(米国の小説って、何で主人公がノベツマクナク喋ってるんだろうか)なのと、父子の再会が淡白なとこ、そして隠遁作家がJ.D.サリンジャーなのが主な差異でしょうか。話のアイディアは当然凄いし、旧き良き野球への愛は充分伝わるので、満足です。小説に出てくるDocの描写は、出演している晩年のBurt Lancaster(本作が彼の最後の銀幕出演です)と本当にピッタリなのですが、この小説の主人公をCostnerにさせる、というのは考え付かないなあ。

原作原文・映画の"If you build it, he will come." は最高に印象的なフレーズだと思います。 日本語に訳すと、なかなかカッコよくはなりませんけれど。

輪違屋糸里 上

輪違屋糸里 上

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/05/27
  • メディア: 単行本
 
輪違屋糸里 上 (1)

輪違屋糸里 上 (1)

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。